「水」の質は用途に応じて4段階に区分します。@〜に従い水の汚染度が上がってきます。
@飲むための水→原則としてペットボトル入りの水を飲んでください。
公共水道で、きちんと処理(施設が運転中)されていることが確認されている水道水なら良いです。しかし今回の地震で地割れ等が生じ、水源付近での汚染も考えられますので、これまで井戸を使っていた場合の水は控えたほうが良いでしょう。
Aからだの洗浄のための水→井戸水でも石鹸を使用すれば大丈夫です。また、見た目で澄んでいれば油臭いなどの異臭がしない限り使用に差し支えありません。
B汚れを落とすための水→濁った水でも大丈夫です。ペットボトルを輪切りにし、口を下にして中に布・和紙・コーヒーフィルターなどを詰めて漏斗にすれば、かなり綺麗な水を造ることができます。しかしこうして作った水は、たとえ透き通っていても飲むことはできません。
C廃棄のための水(水洗トイレなど)→汚れた水でも構いません。AやBで使った水を溜めておいて使うことができます。
Aの水を@にする方法
煮沸させれば飲料水としては大丈夫ですが、熱源確保の問題があります。
公共施設に避難をし、そこに厨房があれば大抵は塩素剤「ピューラックス」が置いてあるはずです。2リットルの水に対して塩素剤5〜6滴たらした後に攪拌し、30分ほど置けば@の水質と同等にすることができます。空いたペットボトルの容器が便利です。ただし、Aの水を塩素処理した水であることは、銘記する必要があります。商品ラベルを剥がし、自分のものとして区別(放置しない)しておくべきです。塩素の臭い(プールの臭い)がするからといって、台所用の塩素剤は使ってはいけません。台所用の塩素剤には界面活性剤が入っています。
高齢者・幼児こそ積極的に水分を小まめにとるように、心がける必要があります。高齢者は避難所のような集団生活では、どうしてもトイレを我慢するため摂取水分が少なくなります。寒い中で水を飲むことは辛いでしょうが、深部血栓症を予防するためにも、もう1リットル余計に飲むように心がけてください。
蛇口をひねれば「水」ではなく「飲料水」が当たり前のように出てくる日常生活を送っている私たちにとって、「水」と「飲料水」を非常時に区別することは大変ですが、基本的事項としてご参考まで。
夏井正明(自由学園)
2011年03月19日
「水」について(避難先などでの緊急時に)
posted by メンバー at 05:41| Comment(1)
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